スクールで上手くなるには

 多くのスクール生が自分は全く上達しないと思い込んでいる。上のクラスにはたくさんの上級者がおり、自分もその仲間入りができると思って入会したのにである。この結果、多くのスクール生は初心者の内に辞める。従って、3年もすれば昔からのクラスの知り合いは1人もいなくなる。
 こうしたスクール生は重要な事実に気付いていない。それはスクールの練習量が驚くほど少ないという事実だ。例えば、高校で部活動に入ったとしよう。彼は毎日休まず練習する。もちろん、土日も練習だ。1日平均2時間はテニスをやるだろう。そうすると1ヶ月に60時間は練習する事になる。一方、テニスクールは90分の授業をひと月に4回やるだけだ。その総量はわずかに6時間である。これはスクールで3年やったとしても部活動では3ヶ月程度の練習しかしていない初心者である事を意味する。しかし、大抵のスクール生が3年もやればあきらめてしまうのだ。スクールの上級生はこれだけの練習をこなした学生が社会人になってから再びスクールに入会した者達であり、最初からスクールの生徒が勝てるはずはないのだ。
 もう1つの問題がスクール側にもある。スクールのコーチングは文部科学省の指定した方法で行う。このコーチング法は実は上手くなるためのものではない。文部科学省がコーチングを指定しているのは既得権益を保護するためだ。すなわち、天才的コーチの独自の方法を規制するために標準を指定しているのだ。法律的根拠が無いにもかかわらず、スクールでは独自のコーチングは不可能だ。従って、競争が全く無く、上達法も進歩する事はないのだ。
 また、スクールのコーチにも独自の事情がある。もし、誰かが他の生徒を追い越して急速に上手くなれば、他の生徒はやる気が無くなってしまう。従って、実はコーチは生徒に上手くなって欲しくはない。上手くなる生徒がいればそいつを辞めさせようとする。これは一部の優秀な社員をみんなで追い出す日本企業と全く同じである。要するに出る杭は打たれるのが日本の組織なのだ。
 こうした複数の理由があり、スクールでは実は全く上達しない。実はスクールと言っているが、学校としてはまるで機能していないのがスクールの現状なのだ。こうしたスクールで上達する方法をこのブログでは紹介してきた。その方法を簡潔に以下に示す。

1. 速いボールを打ち返す。
2. 強いボールを打つ様心がける。
3. 調整力を鍛える。
4. イメージトレーニングをする。
5. オープンスタンスを採用する。
6. 自分合うグリップを早めに習得する。

 こうして上達しても実は次の問題に遭遇する事になる。それは技術はいずれ飽和するという事実だ。スクールに3年いるとコーチの実力がみるみる上達する事を目撃できるだろうか?実際にはそんな事は全く起こらない。コーチは成長が既に止まっており、我々よりはるかにプレー時間が長いのにもかかわらず全く進歩しないのだ。これは仕方のない事であり、誰でもある程度で成長は止まる。プロですら永久に上手く成り続ける事はない。大抵のプレーヤは中級程度で進歩は止まるのだ。
 多くのプレーヤはここで自分のやる事がなくなったと考え辞めてしまう。もちろん、他に楽しい事があるなら辞める事に問題は無い。しかし、テニスは上達だけが楽しみではないはずだ。技術の進歩は止まっても戦術面の進歩はあるし、テニスは健康の維持にも役立つ。週末、誰かと楽しむ時間というのも大事である。たとえ上達が止まっても安易に引退すべきではない。テニスは一生のスポーツなのだ。
 こうした状態になっても進歩の方法が無いわけではない。例えば、誰でも技術に欠点はある。上級者になれば長所を伸ばすよりも短所の修正が有効だ。例えば、悪いくせが付いているならそれを修正しても良いだろう。今まで挑戦してこなかった新たなプレーに取り組んでも良い。例えば、スライスショットやドロップボレー、トップスピンロブなどあまり練習しない技術はたくさんある。
 調整力の強化はこのレベルでも有効だ。スピンの量を調整したり、ショットのスピードや長さをコントロールしたり、標的を狙ってコースを打ち分けたりなど進歩の余地はたくさんある。また、道具にこだわるのも楽しい。良い道具はプレーを最大限に生かす。現在は多様な道具が存在するので、お金の許す範囲でそれを試すのも効果的である。
 結局、スクールを生かすためには自分で工夫するしかない。お金を払えば全てのサービスをやってくれるほどスクールは親切な場所ではない。むしろ、ある一定期間が過ぎれば初心者を邪魔者扱いするような所だ。上達は自分でするしかないのだ。しかし、こうした劣悪なサービスは日本では一般的で、テニススクールが特別なわけではない。我々が優秀だという事実は無い。優れているのは一部の製造技術者の技術だけだ。それ以外は平安時代から全く進歩していないのが現実なのだ。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック