球出しは上級者がやるべき

 テニススクールでは球出し練習を必ずやる。特に初心者はラリーが続かないため、まず、球出しでフォームを憶えさせられる。しかし、この球出しは初心者には全く役に立たない。現実のラリーではこの様な死んだボールを打つ事は無い。また、この様な緩いボールは誤ったフォームでも上手く打てるため、フォームが狂ったまま癖になる可能性が高い。そして、一度付いた癖を修正するのは驚くほど労力がかかるのだ。
 この様にあまり効果的でない球出しではあるが、上級者には非常に効果的練習になる。ただし、それには条件がある。それは決して簡単なボールを打たない事だ。具体的には同じ球出しでもターゲットを作りそれを狙って打つ。単に一カ所を狙うのではなく、深く打ったり、浅く打ったり、左右に打ち分けたりする。また、スピンをかけたり、フラットで打ったり、と球種を打ち分ける。こうした練習は以前から推奨しているコーディネーションのトレーニングになる。従って、ボールコントロールの幅が広がり、ゲームでのプレーが格段に良くなるのだ。
 重要なのはこうしたトレーニングはフォームが安定してから行う事だ。まだフォームが安定していない初心者がやり過ぎるとフォームを崩してしまい、スランプになる可能性が高い。初心者はまずテンポの速いラリーをする事だ。実践に近いラリーをする事によりフォームから余計な癖が無くなる。球種の幅を広げるのはその後である。
 残念ながらこの様な手順で練習メニューを組んでいるスクールを見た事が無い。いや、スクールはどこも全く同じだ。それは文部科学省によってコーチングが管理されているからだ。それはまるで農協に管理されている農業と同じく、全く競争が無い。従って、優れたコーチングを開発するコーチなどいるはずがないのだ。
 このブログにはすぐに効果が出る秘訣は全く書かれていない。このコツを覚えれば直ちにスーパーショットが打てるという記事は存在しないのだ。書いてある事は努力のやり方である。努力には効果的なものとそうでないものがある。それを良く考える事が重要だと主張しているのだ。残念ながら役所の勧める努力の方向は全く見当はずれだ。むしろ役所は悪意を持って嘘を教えている。日本はこうして役所に支配されているのだ。役所の武器は暴力ではない。彼らが国民を管理する武器は迷信なのだ。

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